「イヤイヤ期は3歳頃で落ち着く」とよく言われますが、4歳以降になっても癇癪が続くお子さんに悩む親御さんは少なくありません。私も同じ経験をしてきた一人です。「なぜこんなに怒るの?」「どう対応すればいいの?」と途方に暮れた日々もありました。でも、癇癪にはきちんと理由があり、対応次第で状況を大きく改善できる可能性があるんです。

この記事では、私自身の体験談や児童発達支援で学んだ情報をもとに、癇癪の原因とその対応方法についてお話しします。
読み終わる頃には、「今からできること」を見つけられるはずです。
癇癪が続くのはなぜ?その原因を探る
「どうして癇癪が止まらないのか?」という疑問に答えるために、まずは原因を知ることが大切です。癇癪が起きる背景には、子どもの心と体の成長が大きく関係しています。

・脳の発達段階による感情コントロールの未熟さ
・自己主張が強まる一方で、感情を伝える手段が不足している
・予測不可能な環境や変化によるストレス
1. 脳の未成熟さ
癇癪は子どもの発達過程で自然なものです。特に感情コントロールを担う脳の「前頭前野」は、5〜7歳頃まで急成長を続けるため、その時期までは感情を抑えるのが難しいと言われています。
例として、次男が幼稚園時代に友達同士で家に遊びに行く約束をした時のエピソードを挙げます。約束をしたのに、親である私たちがそれを知らず「いきなりは難しいよ。」と、遊びに行くことができませんでした。次男はどうしようもない悔しさと混乱で大泣きです。彼の中では「言ったことが叶うのが当たり前」だったため、この状況を理解するのが難しかったんです。こういった場面では、感情がコントロールできないのは脳の発達段階によるものだと知っておくと、親としても落ち着いて対応できます。
2. 自己主張の増加
4歳を過ぎる頃になると、子どもは自己主張を強め、「自分の思い通りにしたい」という気持ちがより明確になります。しかし、思い通りにならなかったり、相手に理解されないと感じたりすると、その感情が癇癪という形で現れることがあります。
たとえば、ゲームをしていた次男が「やめ時」を注意されて大泣きした場面では、彼自身は「もっと遊びたかった」「注意されたくなかった」と思ったのでしょう。この時期の子どもは「まだやりたい」という感情を言葉で上手に伝えることが難しいため、癇癪で気持ちを表現してしまうのです。
3. 環境や予定の変化に敏感
子どもにとって環境や予定の変化は大きなストレスになることがあります。特に発達グレーゾーンのお子さんや敏感な性格の子どもは、この影響を強く受けやすいです。「突然予定が変わった」「遊びたいおもちゃが取られた」など、小さなことでも予測できない出来事は癇癪の引き金になることが多いです。
癇癪を減らすための具体的な対応法
癇癪が続く原因が分かったところで、次はその対応方法について見ていきましょう。「どんな対応をすれば子どもが落ち着いてくれるの?」と悩む親御さんも多いと思います。私自身の試行錯誤をもとに、日常生活で使いやすい方法を5つご紹介します。
1. 共感してあげる
癇癪中の子どもは、感情がうまく整理できず混乱しています。その時に「何がそんなに嫌なの!」と叱るより、「○○したかったんだよね」「悔しかったよね」と共感の言葉をかけてみてください。
例えば、次男が「友達の家に遊びに行きたいのに行けない」と癇癪を起こした時、最初に「本当に行きたかったんだね」と共感しました。その後で、「でも、ママが知らなかったから今日は無理なんだ」と説明すると、少しずつ納得してくれました。共感することで子どもは「自分の気持ちを分かってくれている」と安心し、気持ちが落ち着きやすくなります。
2. 予測可能な環境を作る
急な予定変更や見通しのない状況は、子どもにとって大きなストレスになります。事前に予告することで、心の準備を整える時間を与えられます。
たとえば、ゲームをしていた次男に「あと10分で終わりだよ」とタイマーをセットして知らせるようにすると、スムーズに切り上げられるようになりました。この「あと〇分で終わる」と伝える方法は、どの場面でも効果的なのでぜひ試してみてください。
3. 感情を言葉で表現する練習
子どもが癇癪を起こす理由の一つに、自分の感情をうまく言葉で伝えられないことがあります。そこで、「怒った時はこう言ってみようね」と感情表現の練習をするのが有効です。
私たちが実践したのは、絵カードや簡単な言葉を使って感情を表す方法です。たとえば、「悲しい」「怒った」「嫌だ」などの単語を遊びの中で教えました。次男は次第に「嫌だ」と言えるようになり、泣く代わりに気持ちを言葉で伝えられる場面が増えていきました。
4. 親が冷静になる
子どもの癇癪に直面すると、親も感情的になりがちです。しかし、親が冷静さを保つことが、子どもを落ち着かせる第一歩になります。
私も「なんでまた泣いてるの!」とつい感情的になってしまったことが何度もあります。でも、「落ち着こう」と深呼吸をして、「大丈夫だよ、ゆっくり話してみよう」と声をかけるように意識しました。親が落ち着いている姿を見せると、子どももその影響を受けて少しずつ冷静さを取り戻してくれます。
5. 振り返りをする
癇癪が収まった後に、「どうして怒っちゃったのか」を子どもと一緒に考える時間を作るのも大切です。この振り返りの時間を通して、子ども自身が「どうすれば次はもっと良くなるのか」を考えられるようになります。
例えば、次男がゲームをやめられなかった日、「どうすれば次はスムーズに終われるかな?」と問いかけると、「次はタイマーを使ってみる」と自分から提案してくれました。こうした小さな気付きの積み重ねが、子どもの成長につながります。
- 共感の言葉をかけて安心感を与える
- 予定や環境の見通しを伝える
- 感情を表現する練習を通じて言葉の力を育む
- 親が冷静さを保つことで子どもを落ち着かせる
- 振り返りの時間を作り、成長を促す
子どもと向き合うために親が大切にしたいこと
癇癪が続く子育ては、親にとって心身ともに負担が大きいものです。しかし、親が自分自身の心の健康を保ちながら子どもと向き合うことは、家庭全体の安心感を生み出します。次は、癇癪を乗り越えるための親の心構えについて4つお話しします。
1. 完璧な親を目指さない
私自身、最初は「もっといい親でなければ」と自分を責めてばかりでした。しかし、育児に完璧を求めると、親も子どもも疲れてしまいます。癇癪は子どもの成長過程の一部であり、「毎日少しずつ良くなればいい」と思えるようになると、心が軽くなりました。
2. 自分の時間を確保する
癇癪の対応に追われると、親自身が疲れ切ってしまうことがあります。そこで、あえて自分の時間を作ることが大切です。私は子どもが寝た後に好きなドラマやアニメを観たり、週末には夫に子どもを任せて一人でカフェに行く時間を設けたりしました。この時間があると、リフレッシュして子どもに向き合う余裕が生まれます。
3. 他の親とつながる
癇癪に悩むのは、自分だけではありません。他の親と悩みを共有することで、「みんな同じように頑張っているんだ」と前向きになれます。私はSNSや地域の育児サロンで同じような経験を持つママたちと交流し、助けられたことが何度もあります。
4. 子どもの「できた」を見つける
癇癪ばかりに目が行きがちですが、子どもの小さな成長や頑張りを見逃さないようにしましょう。「昨日より少し落ち着いていたな」「ちゃんと自分の気持ちを言えたな」など、ポジティブな変化を見つけると、親子の関係も良くなります。
子どもの成長を信じて
癇癪は子どもの感情発達において重要な過程であり、時間とともに改善していくものです。
親が焦らず、温かい目で子どもを見守ることで、子どもは安心して成長していけます。
私自身、何度も「もう無理!」と思ったことがありましたが、振り返ってみると、子どもたちは少しずつ感情をコントロールできるようになり、家庭内での笑顔が増えてきました。悩んだ時間も、必ず子どもの未来につながっています。
癇癪との向き合い方をおさらい
最後に、この記事でご紹介したポイントをもう一度まとめます。
- 共感の声かけをする
- 予測可能な環境を作る
- 感情表現を練習させる
- 親が冷静に対応する
- 振り返りをする
- 完璧を目指さない
- 自分の時間を確保する
- 他の親とのつながりを作る
- 子どもの小さな成長を見つける
癇癪に悩む親御さんが少しでも気持ちを軽くできるよう、この情報が参考になれば幸いです。
一緒に悩み、一緒に成長していきましょう。
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