「子どもが帽子をかぶるのを嫌がる…」「指定の園帽子をかぶれなくて困っている」そんな悩みを抱えていませんか?
発達がゆっくりだったりグレーゾーンと呼ばれるお子さんは、触覚過敏が原因で帽子の締めつけ感や素材のチクチクが耐えられないことがあります。無理にかぶせようとすると、強いストレスを感じてしまうことも。

次男も、帽子をかぶるのがとても苦手な子です。でも、試行錯誤を続けた結果、今では「気に入った帽子ならかぶれる」までに成長しました。
帽子をかぶるのが難しい子どもへの理解を深め、できることから少しずつ取り組んでみましょう。
触覚過敏で帽子がかぶれない原因
触覚過敏とは?
触覚過敏とは、皮膚が特定の刺激に対して過剰に反応してしまう状態を指します。一般的には問題にならないような帽子のゴムの締めつけや素材のチクチクも、触覚過敏を持つお子さんにとっては耐えがたい刺激になることがあります。
帽子が「ただの衣類」ではなく、「強い不快感を伴うもの」になってしまうのです。
実際に大変だった困りごと
次男も触覚過敏があり、帽子をかぶると…
ゴムが肌に触れるだけで「キツい!取って!」と言って外してしまったり、少し汗をかくと「きもちわるい!」とすぐに脱いでしまいました。
締めつけ感に敏感
暑さや蒸れが苦手
特に困ったのは園指定の帽子がかぶれなかったこと。
冬はフェルト、夏は麦わら帽子でしたが、どちらも「痛い」「かゆい」「かぶると気持ち悪い」と言い、無理にかぶせようとするとパニックになってしまいました。
そこで、私は「どうやったら少しでも楽にかぶれるのか?」を試行錯誤しながら対応策を考えました。

帽子がかぶれない子どもへの対応策
触覚過敏のあるお子さんが帽子をかぶれるようになるために、2点のポイントを参考にしてみてください。
刺激を減らす工夫
少しずつ慣らしていくこと
次男も試行錯誤しながら、最終的には「自分で選んだ帽子ならかぶれる」ようになってきました。
ここでは、具体的な対応策を紹介します。
① 素材や形を変えてみる
帽子が苦手な子は、素材や形が原因で拒否していることが多いです。
まずは、以下のポイントを意識して、お子さんが受け入れやすい帽子を探してみましょう。
項目 | NG例(嫌がりやすい) | OK例(かぶりやすい) |
素材 | フェルト・ポリエステル・ウール | 綿100%・ガーゼ生地 |
形 | 硬めの麦わら帽子・深くかぶる帽子 | ゆるめのキャップ・柔らかい布製 |
ゴムの有無 | きついゴム付き | ゴムなし・アジャスター調整可 |
ツバの部分 | 硬くて大きい | 柔らかめ・短め |
アジャスターでサイズ調整できるものを選ぶと、「キツすぎる」「ゆるすぎる」を防げます。

「指定の帽子しかダメ」という場合は、先生に相談し、
- 肌に触れる部分に綿の布を縫い付ける
- 指定帽子と似たデザインの代替品を探す
といった方法で対応できることもあります。
② かぶる前にひと工夫!刺激を減らす方法
帽子をかぶる前に「刺激を減らす工夫」をすることで、子どもが受け入れやすくなります。
帽子の内側をカスタマイズする
- タグや縫い目をカットする → チクチク感を軽減
- 内側にガーゼを貼る → 肌触りをやわらかくする
頭皮の敏感さを和らげる
- お風呂で頭皮マッサージ → 頭の感覚を鈍感にする
- 好きな香りを帽子に少しつける → リラックス効果

- 帽子の内側にガーゼを貼る
- タグを全部取る
また、お風呂で頭皮マッサージをすることで、「頭を触られること」自体への抵抗も減りました。
③ 「かぶってみようかな」と思わせる工夫
触覚過敏の子どもは、帽子をかぶることに対して「イヤなもの」「怖いもの」という思い込みを持ちやすいです。
無理にかぶせようとするのではなく、「かぶってみようかな?」と思わせる工夫が必要です。
「選ばせる」ことで自分の意思を尊重
- 子どもに帽子を一緒に選ばせる(好きな色・キャラものなど)
- 「どっちの帽子がいい?」と選択肢を与える
「ごっこ遊び」に取り入れる
- ぬいぐるみに帽子をかぶせてみる
- 家族が楽しそうに帽子をかぶる姿を見せる

次男は、「どの帽子ならかぶれそう?」と聞くと、「このキャップなら大丈夫かも」と選んでくれました。
また、「ママも帽子かぶるから、一緒にかぶろうよ!」と言うと、少しずつかぶる時間を増やしていけました。
「かぶれない」から「かぶれる」までの成長過程
触覚過敏の子が帽子をかぶれるようになるには、周囲の理解と安心できる環境が必要です。次男も幼稚園時代は「絶対ムリ!」と言っていましたが、いまでは自分からかぶろうとするようになりました。
ここまで来れたのも、周囲のサポートや本人の成長のおかげだと思います。
①「無理にかぶらなくてもいい」と思えた安心感
幼稚園の先生は、無理に帽子をかぶらせない方針でした。
これは、親としてもとても安心できる対応で、「今はムリでも大丈夫」と思える支えになりました。
きっと、次男自身も「無理にかぶらなくていいんだ」と感じられたことで、帽子への抵抗感が強くならずに済んだのではと思います。
「なんとかしてかぶらせなきゃ…」と焦ると、それが子どもにも伝わり、プレッシャーになってしまいます。
「今はかぶれなくても大丈夫」と思うことで、親子ともに余裕を持てました。
②「かぶる練習」のその前に
次男は、精神的にしんどい時ほど感覚過敏が強くなっていました。
新しい環境や変化があると、不安感が増して帽子どころではなくなります。
そこで、帽子をかぶることよりも、日常生活の安定を優先しました。
- ルーティンを決めて安心感を持たせる(毎朝の流れを固定する)
- できることを増やして自己肯定感を育む(得意なことを伸ばす)
- 「どこがイヤ?」と聞いて気持ちを言葉にする
気持ちが落ち着いているときに、「この帽子ならちょっとかぶれるかも…」と試してみようとする瞬間が増えていきました。
③「かぶりたい気持ち」を引き出す声かけ
帽子に対する抵抗が少しずつ減ってきたころ、次男は自分で選んだ帽子なら比較的かぶりやすいことに気づきました。
「この帽子かっこいいね!」「センスあるね!」など、似合っていることを具体的に褒めると、本人も嬉しそうでした。
自分で選んだものにはこだわりを持ちやすいので、素材やデザインに納得できるものを選ぶことも重要でした。
④「かぶれるようになった=すべてOK」ではない
今でこそ、自分から帽子を試すことも増えましたが、どんな帽子でもOKになったわけではありません。
次男なりの「妥協できるポイント」は、
- きつすぎないこと
- チクチクしないこと
- 自分が選んだ帽子であること
まとめ
帽子をかぶらず日傘で代用するなどさまざまな手段があると思います。ただ、次男は手にも違和感を感じるようで日傘で代用することもできませんでした。夏の熱中症対策にも必須ですので、なんとか帽子がかぶれるようにしてあげたかったです。
感覚過敏で帽子がかぶれない子どもには
- 安心できる環境
- ポジティブな声かけ
- 本人の選択を尊重すること
上記の3点を意識してみてくださいね。
焦らず見守ることで、少しずつ変化が生まれる!
「かぶれるようになる」ことより、「嫌な気持ちを減らしてあげる」ことが大事!
私も引き続き、子どものペースを大切にしながらサポートしていけたらと思います。
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