発達の指摘を受けたときのショックから受け止めるまで

発達の指摘を受けた親が感じるショックとその受け止め方 発達グレーゾーン育児
発達グレーゾーン育児の中で親が経験する感情と、そこからどう行動に移すかを解説します。

突然の発達指摘に戸惑った日

いつものように保育園へお迎えに行くと、先生から「お兄ちゃんの発達について気になるところがある」と言われました。それまでは「今日も元気にすごしていますよ」と言われていたので、まさか発達の指摘を受けるとは思っていませんでした。頭の中が真っ白になり、「うちの子に限って…」という思いが湧き上がりました。

さらに驚いたのは、指摘を受けたのが癇癪(かんしゃく)が大変だった次男ではなく、長男だったことです。「なぜ?」と何度も心の中で問いかけましたが、すぐには答えが見つかりませんでした。

ショックの中で感じた親としての責任感

指摘されたことにショックを受けながらも、「この機会にしっかり調べてみよう」という気持ちが出てきました。就学前というタイミングもあり、将来のことを考えたとき、何か対応できることがあるならやるべきだと思いました。そのため、思い切って次男も一緒に発達検査を受ける決心をしました。

結果、2人とも発達グレーゾーンという診断を受けました。このとき改めてショックを受けましたが、それ以上に「どうすればいいのだろう」という不安が強かったです。

親の心情を吐き出せる場所が大切

発達の指摘を受けると、つい「自分の育て方が悪かったのかな」と責めてしまうことがあります。
でも、その気持ちを誰にも言えないのが辛いところです。私自身も当初は周囲に話す勇気がありませんでした。しかし、勇気を出して信頼できる家族や友人に話してみると、「大丈夫だよ」「うちも同じような悩みがあるよ」と温かい言葉をかけてもらいました。

こうした経験から、ショックを受けたときは一人で抱え込まず、誰かに話すことで少しずつ気持ちを整理することができると実感しました。

否認の時期と向き合い方

発達グレーゾーンと診断されたとき、頭では理解していても「本当にうちの子が?」という否認の気持ちが消えませんでした。成長の個人差も大きいと言われている中で、「たまたま発達がゆっくりなだけでは?」と思うことも。先生や専門家の話を聞いても、どこかで「きっと大丈夫」という希望を手放せない自分がいました。

そんな中で特に苦しかったのは、周りの目を意識してしまうことです。「あの子、発達に遅れがあるんだって」と思われている気がして、心の中で「普通に見えているよね?」と必死に考えていました。

情報収集を始めたきっかけ

否認の気持ちが薄れたのは、子どもたちと日々向き合う中で「今のままではいけない」と思う瞬間があったからです。特に次男が癇癪を起こしたときに、うまく対応できず、自分の言葉や行動が子どもをさらに追い詰めているように感じたことがありました。この出来事をきっかけに、もっと子どもたちの特性を理解したいという気持ちが強まりました。

ネットや本で情報を集める中で、発達障害やグレーゾーンに関する具体的な支援方法があることを知りました。知識を増やしていくことで、少しずつ「どうしてこの子はこういう行動をするのだろう?」という疑問が解消されていきました。

悲しみと怒りの感情が混ざる日々

子どもたちの特性を理解しようと努力を始める一方で、どこかで「なぜうちの子が…」という感情が湧いてくる日々が続きました。周りの子どもたちと比べてしまい、「なんで同じようにできないの?」と焦りや悲しみが募ることもありました。

また、社会や制度に対する不満を感じたこともあります。保育園や学校では、発達グレーゾーンの子に対して十分な理解があるわけではありません。お友達とのトラブルで状況をうまく説明できなかった長男に対して、状況を聞き取りもせず注意を受けることも多かったです。忙しい保育の時間に手がかかる子という印象だったのでしょう。そのたびに「もっとこうしてくれたらいいのに」と怒りの感情を抱くこともありました。

感情を受け入れることで見えてきたこと

悲しみや怒りは、決して悪い感情ではないと気づいたのは、感情そのものを無理に否定せず受け止めてからです。「どうして私ばかりがこんな思いを…」と感じたときも、思い切ってノートに書き出してみました。

気持ちを言葉にすることで、だんだんと冷静に自分の状況を見つめられるようになりました。感情に蓋をせず受け入れることは、適応や再起へ向かうための大切なステップだと実感しました。

適応と再起への第一歩

感情を整理しながら、少しずつ「この子たちに必要なサポートをしていこう」という気持ちが強まりました。発達の指摘を受けたときは、「どう対応していいか分からない」という気持ちでいっぱいでしたが、情報を集めて実践していく中で、「親としてできることがある」と分かると、不安が希望に変わっていきました。

特に、環境を変える決心をしたのが大きなターニングポイントでした。当時勤めていた仕事を辞め、子どもたちと向き合う時間を増やすことにしたのです。専業主婦になることに不安もありましたが、日々の中で子どもたちの変化を見逃さず、一緒に成長していける時間を持てたのは本当に良かったと思っています。

再び動き出す決意

子どもたちが落ち着き始めた頃、次に考えたのは「自分もまた新しい一歩を踏み出したい」ということでした。そこで選んだのが発達支援のパートの仕事でした。以前は全く違う業界で働いていましたが、発達について学び、経験したことを活かしたいという思いが背中を押してくれました。

この仕事を始めたことで、自分の子育てだけでなく、他の家庭の力になれることが分かり、大きなやりがいを感じるようになりました。そして、自分自身の障害受容のプロセスを改めて振り返る機会にもなったのです。

同じ境遇のママ達へ

もし今、発達の指摘を受けてショックを感じている方がいたら、どうか一人で悩まず、少しずつできることから始めてみてください。親としての努力は必ずお子さんに届きますし、周りの支援を受け入れることも大切です。

また、自分の感情を否定しないでください。「ショックを受けるのは当然」「悲しくなるのは仕方ない」と自分に言い聞かせてみると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。いつか「あの時頑張って良かった」と思える日が来るはずです。

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